FFGでは、グループ各サービスが利用する共通認証基盤(IDP)を、フルスクラッチで内製開発しています。専任のプロダクトオーナーやスクラムマスターを置かない体制の中で、要件探索から設計・実装・運用改善までを、平均28歳・5名のデベロッパーがオーナーシップを持って担っています。
認証基盤は、「動く」ことと「安全に動き続ける」ことの差が大きい領域です。失敗の影響はグループ各サービスに及び、専門知識、継続的な脅威対応、高可用性、運用改善が求められます。そうしたプロダクトを少人数で作り続けるために、私たちが大切にしてきたのは、チーム全員で"開発に集中できる状態"を育て、守ることでした。
ここでいう開発とは、コードを書くことだけではありません。要件を探索し、設計し、実装し、リリースし、運用から学んで改善するまでの一連の活動です。本セッションでは、その活動に集中するために取り組んできた2つの実践——チームの判断基準と品質基準を揃えること、自動化・属人化の解消・コミュニケーションの見直しによって認知負荷を設計すること——を、実際の失敗や改善事例を交えて紹介します。
私たちのチームでは、リリース後の状態把握や運用改善の一部としてNew Relicを活用しています。New Relicのダッシュボードやメトリクスを通じて、特定の人だけがシステム状態を把握するのではなく、チーム全員が同じ情報を見ながら判断できる状態を作ってきました。
少人数で難しいプロダクトに向き合うチームが、どのように判断基準を揃え、認知負荷を下げ、開発に集中できる状態を作ってきたのか。エンジニアがより価値に向き合うための、チームづくりと仕組み化の実践を共有します。
諏訪 裕司 [ふくおかフィナンシャルグループ]
ふくおかフィナンシャルグループ
システムソリューション部/エキスパート
新卒で医療サービスの新規開拓営業を経験後、プログラミングスクールを経てエンジニアに転身。SES・受託開発で、進学情報サイトやヘルスケア領域の予約システムなど多様なWeb開発に従事し、顧客折衝から設計・開発・運用、クラウド移行提案までを担当する。その後の保険会社のDX推進プロジェクトでは、要件抽出からフロント・バック・インフラまで幅広く携わった。2024年4月よりFFGに入社し、共通認証基盤(IDP)やeKYCなど、セキュリティ要件の高い共通基盤領域の内製開発・運用に取り組んでいる。
東 卓弥 [New Relic]
New Relic 株式会社
カスタマーサクセス部 / 部長
福岡在住のエンジニア。開発力で問題解決を行うことに専念している。ERPパッケージ製品の開発から始まり、プラットフォームの開発、SREと作るだけでなく動かすところまで責任を持つロールを経験。その後総合系コンサルティングファームに転職し、BtoCサービスの開発プレイングマネージャーを担当。アーキテクチャの設計からCICD、バックエンド・フロントエンド開発に加え、パフォーマンス管理・チューニングを得意とする。業務上経験が多いのはJava、Node.js。