【A-1】 サイバー空間の“実際の脅威”と自らの対処能力を直視することで得られる“適切な”サイバーセキュリティ対策

  

サイバー脅威の急激な高まりを受けて、公的機関は様々なサイバーセキュリティに関する施策を立ち上げ、専門事業者は関連するプロダクトやサービスを市場に投入しています。周囲で騒がしくなっているこの状況を受け、何かサイバーセキュリティ対策をしなければ、と行動を始めようとしている事業者が増えているようです。日本ではこのような「多数派の側に属そうとする同調行動」がよく見られますが、サイバーセキュリティ対策は同調行動で実現するものではなく、現状は脅威の高まりに適応した取り組みが進んでいません。
本講演では、“適切な”サイバーセキュリティ対策の確立に必要となる観点や知見を提供しつつ、現状を踏まえた課題について考察します。

名和 利男 [サイバーディフェンス研究所]

株式会社サイバーディフェンス研究所
専務理事/上級分析官

航空自衛隊において、信務暗号・通信業務/在日米空軍との連絡調整業務/防空指揮システム等のセキュリティ担当業務に従事した後、JPCERTコーディネーションセンター早期警戒グループのリーダを経て、サイバーディフェンス研究所に参加。現在、専門分野であるインシデントハンドリングの経験と実績を活かして、CSIRT構築及びサイバー演習の支援サービスを提供中。最近は、サイバー脅威インテリジェンスに関する活動を強化しており、その他、重要サービスを提供する民間企業や公的機関のアドバイザーを兼務しています。