10年以上に渡り維持・保守開発を続けられてきたタウンワークとその関連システム郡。
それぞれのシステムは複雑に絡み合った状態で、SoEとSoRが混在し開発難易度は日に日に上昇し続けています。
そんな中で週100万件の掲載を支えるバッチの処理時間が翌日の掲載に間に合わないとか、フロントエンドのCSSサイズがいつの間にか500KBを超えていたとか、コードはABテストの残骸まみれであり割り振りが100%設定のまま動いてるため安易にABテストを解除できないとか、大小様々な問題が日々起こります。そのような状況下において、コンバージョン率を最大化するようなサイトの改善をアジリティ高く回す必要がありますし、同時に安定稼働を保証しないとなりません。
教科書的には、「マイクロサービスにしてスモールチーム化して、アジャイルにやればいい」のかもしれませんが、そこには現実の我々の現場からは距離が遠すぎますし、様々な超えなければならない制約達が存在します。
このような状況に対して、私達は、社員エンジニア、SIerの方々、ベトナムのオフショアでフォーメーションを組んで開発しております。見方によってはアジャイルかもしれないですし、ウォーターフォールかもしれません。ただ、強く意識していることは大企業だからこそ、セットベースにやることです。レガシーな大規模システムにおける開発組織論の1つとしてなにかの参考になれば幸いです。
黒田 樹[リクルートテクノロジーズ]
リクルートテクノロジーズ
ITエンジニアリング本部 HR領域エンジニアリング部 執行役員
SIerにて官公庁系の大規模開発のシステムアーキテクトとして幾つかの開発を経てリクルートホールディングスに入社。様々なチームに対してスクラムやリーンスタートアップの導入支援、マイナー出資先の海外スタートアップのグロース支援を経て、リクルートテクノロジーズに籍を移しエンジニアリングマネージャーとして既存メディアや新規事業領域の開発マネジメントなどに従事。現在は執行役員としてエンジニア組織をマネジメントしている。
2018・2019年Developers Summitコンテンツ委員。