近年の大規模言語モデル (LLM) を組み込んだソフトウェア開発ツールは開発者の作業を支援するだけではなく、自律的な思考や判断に基づいて作業を完遂することを可能とし、ソフトウェアの開発生産性や品質を大きく向上しうる中核技術となりつつあります。その心臓部分にあたるLLMはどのような仕組みでソフトウェアの開発を学習し、現実の開発作業をどの程度まで解決できるのでしょうか。本セッションではLLMがソフトウェアの開発能力を獲得するための学習や評価の仕組みを解説するとともに、最新の研究動向についてご紹介します。
風戸 広史[NTT]
NTT株式会社
人間情報研究所
思考処理研究プロジェクト 主任研究員
2003年にNTTデータ (現NTTデータグループ) に入社し、ソフトウェア工学の専門家として20年以上にわたりソフトウェア開発および保守の生産性向上に関する研究開発に従事。現在はNTT 人間情報研究所においてNTT版大規模言語モデル「tsuzumi」の研究開発プロジェクトに参画し、LLMのソフトウェア開発能力の向上に関する研究開発チームを率いる。博士(工学)。