AI技術の進展により、生成AIや自律的なAIエージェントが業務や意思決定に深く組み込まれる時代が到来しています。しかし、その利便性の裏側で、情報の信頼性低下、なりすましによる妨害、偽造コンテンツなど、新たなリスクも生じています。企業は、これらの脅威を単なる「技術的課題」にとどめず、「ガバナンス課題」として捉え、透明性・説明責任・リスク評価を基盤とした体制を構築する必要があります。国際的にはEUのAI Actに象徴されるように、AIの安全性と倫理性を確保するため、企業には法令遵守と内部統制を両立させる戦略が求められています。加えて、日本国内でもAI関連のガイドラインや著作権法等との整合性を確保することも不可欠です。
本講演では、AI活用時代に企業が取組むべきポイントとして、AI悪用への備え、データ管理の強化、リスク認識の醸成を挙げ、競争力の源泉は単なる技術導入ではなく、信頼性と安全性を担保する仕組みづくりであることを解説します。
西村あさひ法律事務所・外国法共同事業 パートナー弁護士
危機管理、企業不祥事等の企業法務に従事。特にサイバーセキュリティに関する事前対策、事後調査・法的措置・再発防止策に関する法的アドバイスを多数実施。警察庁技官として10年以上従事し、数多くの事案対応の経験を持つ。NISCサイバーセキュリティ関係法令の調査検討等のタスクフォース構成員、NICT招へい専門員、埼玉県警察・徳島県警察のサイバー犯罪対策技術顧問・アドバイザー、日本シーサート協議会の専門委員などを務め、多数の執筆活動や全国各地において都道府県警察をはじめとする各企業の役員、法務部、システム担当者向けへの講演活動も行っている。