今日、サイバー空間は、量的に拡大・質的に進化するとともに、実空間との融合が進行している。DXの進展等、サイバー空間の「公共空間化」が加速しており、「デジタル田園都市国家構想」によるデジタル技術の社会実装が進む。その一方で、国内外におけるランサムウェアによる被害の拡大、ロシアによるウクライナ侵略との関連性が指摘されるシステム障害や改ざん等による被害など、我が国の安全保障面での懸念も含めてサイバー空間における脅威が高まっている。本講演では、サイバーセキュリティに関する政府全体及び総務省における取り組みの現状について紹介する。
総務省
サイバーセキュリティ統括官
1989年旧郵政省入省。2022年6月より現職。情報通信分野のサイバーセキュリティ政策並びに総務省及びその独立行政法人等のサイバーセキュリティの確保を担当。2021年まで在籍した内閣サイバーセキュリティセンターでは、サイバーセキュリティ戦略本部事務局を担当。2021年9月に閣議決定されたサイバーセキュリティ戦略のとりまとめ、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会における対応及びその準備のためのサイバーセキュリティ対策の促進、サイバーセキュリティ基本法の改正、重要インフラ行動計画のとりまとめなどを担当。総務省では、第4世代移動通信システム、多言語翻訳、衛星通信など情報通信関係の研究開発、携帯電話や無線LANの技術基準の策定などの電波監理を主に担当。