LINEでは、サービスを支えるオンプレミスのインフラ拠点を国内外に複数持ち、物理サーバー数4万台超、仮想マシン4万台超、インターネットトラフィックで1Tbpsを超える規模のインフラを運用しています。また、日々様々なアプリケーションの開発を、10拠点、2,500名以上のエンジニアがそのインフラ上で行っています。
LINE のプライベートクラウド開発チームでは OpenStack や Kubernetes といった OSS のクラウドプラットフォームを利用して、LINE のインフラとなるプライベートクラウドの構築、運用をしています。しかし、OSS を導入したからといって、そのまま LINE のサービスにフィットすることはありません。そのため、インフラ開発チームではアプリケーション開発者とインフラをシームレスにつなぐため、OSS をただ導入するだけでなく、アプリケーションからインフラまで一気通貫で考慮したプライベートクラウドのカスタマイズ開発を行っています。
本セッションでは、LINE のインフラ開発チームにおいて、なぜプライベートクラウドの開発を行っているか、そして、どのようにしてアプリケーション開発者とコミュニケーションを取り、OSS の自社サービス向けのカスタマイズ機能の開発管理を行いつつ、OSS コミュニティとの連携を行っているか、実例を交えて紹介したいと思います。
室井 雅仁[LINE]
LINE株式会社
Verdaプラットフォーム開発チーム
シニアソフトウェアエンジニア
情報工学専攻にて修士を取得し日本電信電話株式会社に入社。OSSを活用したクラウドやNFV基盤の研究開発に約8年にわたり従事する。OpenStackコミュニティでは複数プロジェクトのコアレビューア、VM-HA機能とOpenStack Blazarプロジェクトの立ち上げやBlazarのプロジェクトチームリードとして活動し、国内外のカンファレンスにて登壇発表を行う。2019年より現職のLINE株式会社へ入社し、同社のサービスを支えるプライベートクラウドの開発リードや、OpenStackコミュニティへの大規模デプロイの問題を解決する機能の提案などの業務に従事している。