IT業界の企業やコミュニティにおいて、誰もが尊重され、生き生きと活躍するためのダイバーシティに注目が集まっています。本セッションでは、ダイバーシティに関して気づきが得られる、3つのストーリーをお届けします。
【誰にでも開かれたソフトウェア開発を目指して:多様性を巡る僕の旅】川口 耕介[CloudBees]
日本のソフトウェア技術者の圧倒的多数を占めるのは、日本で生まれ育った黒髪黒目の20代から40代位までの男性です。猫の手も借りたい我々の業界において、これはとても勿体無い事です。しかし、こうした話は往々にして社会正義や男女平等の理念的な問題として捉えられがちで、結果として、単なる「やれるとよい事」となって「今直ぐやらないといけない事」に優先順位を巡る戦いで敗れてしまっています。この発表は、多数派の一人である僕が、この多様性の問題にどのように直面し、理解を深め、そしてその経済的合理性を認識するに至ったかという物語です。
【女性向けテックコミュニティが必要な理由とポイント】職業「戸倉彩」
IT業界において、女性を含む誰もが輝けるような環境を目指したい。そのように願う人は増えている一方で、自分からは積極的に行動できずにいる、あるいはそもそもよく分からないと感じている人も多いのではないでしょうか。本セッションでは、多様性に基づいたコミュニティに焦点を当て、現状どのような活動が広がっているのか、どのような可能性や課題を持っているのかについて自分自身の経験や気づきを例にご紹介いたします。
【技術書におけるジェンダーと「わからない」を掘り下げる価値 ~『わかばちゃんと学ぶ』シリーズを作る中で気付いたこと~】湊川 あい[湊川プロジェクト]
突然ですが、技術書はどんな人が読むでしょうか?世の中に出た技術書は、エンジニアとして働く人はもちろん、デザイナー、管理職、学生、先生、女性、男性、LGBTなどさまざまな人が手に取ることでしょう。
そのとき、技術はそれらすべての人に純粋に楽しく伝わるべきです。
読者自身に「自分の属性を卑下されている」とか「説教されている」「つまらない」と思わせてしまっては、新しい扉を開くはずが逆効果になってしまうからです。
このセッションでは、拙著『わかばちゃんと学ぶ Git使い方入門』『わかばちゃんと学ぶ Googleアナリティクス』『わかばちゃんと学ぶ Webサイト制作の基本』『マンガでわかるDocker』『マンガでわかるRuby』がなぜ広く受け入れられているのか、その秘訣を4つのポイントにまとめてお伝えします。
川口 耕介[Launchable]
Launchable, Inc.
co-CEO
MicrosystemsにてJavaEEの開発に携わった後、オープンソースのCI/CDサーバJenkins及びそのコミュニティを作る。2010年よりCloudBeesにてJenkinsを事業化、CTOとして400人規模の会社へと成長させる一翼をになう。2020年よりLaunchable co-CEO。CloudBees、GoogleやNetflixなどがLinux財団と設立したContinuous Delivery Foundationにて技術監督委員会の委員長を務める。楽天テクノロジーアワード、日米韓オープンソースアワード貢献者賞、O’Reillyオープンソースアワード、未踏ユース・スーパークリエイター賞。