【B-5】 「セクシーな仕事」から市民データサイエンスの時代へ

     

Googleのチーフ・エコノミストであるハル・ヴァリアン博士は、2009年1月にマッキンゼー社の発行する論文誌においてこう語りました。『私はこれからの10年で最もセクシーな職業は、統計家だろうって言い続けてるんだ。』
この言葉はその後ITの世界に大きなインパクトを与え、ビッグデータあるいはデータサイエンスのブームを巻き起こしました。しかし一方で、既にハル・ヴァリアンの発言から「これからの10年」はもう過ぎてしまっています。ここからさらに次の10年で、データサイエンスの仕事はどのようになるのでしょう?
その一つの答えが「市民データサイエンス」という考え方です。セクシーなデータサイエンティストではない、ふつうのビジネスマンがデータサイエンスの技術を活用し、恩恵に授かる世界はどのようにして達成されるのでしょうか?また、そのような時代にデータサイエンティストはどのような専門スキルが求められるのでしょうか?本セッションではこれらの疑問に答え、「次の10年のデータサイエンスのあり方」について考えてみたいと思います。

西内 啓[データビークル]

株式会社データビークル
代表取締役最高製品責任者

東京大学大学院医学系研究科医療コミュニケーション学分野助教、大学病院医療情報ネットワーク研究センター副センター長、ダナファーバー/ハーバードがん研究センター客員研究員を経て、2014年11月より株式会社データビークルを創業。自身のノウハウを活かした拡張アナリティクスツール「dataDiver」などの開発・販売と、官民のデータ活用プロジェクト支援に従事。著書に累計50万部を突破した『統計学が最強の学問である』シリーズのほか、『統計学が日本を救う』(中央公論新社)など。日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)アドバイザー。